文化と芸術
音楽
インドネシアには様々な民族音楽がある。レコード会社に所属する有名な演奏者もいて、特にジャワ島とバリ島のガムランアンサンブルや北スマトラ州のゴルダン(ゴンダン)と西スマトラ州のモダンミナン音楽が有名。
クロンチョンは打楽器は使用されず、フルートとヴァイオリン、チェロ、ギター、ベースなどの弦楽器だけでリズムを作るのが特徴。15世紀のポルトガル商人の音楽から発展した大衆音楽ジャンルである。現在でもモルッカ諸島のクロンチョンと北ジャカルタのトゥグ村のクロンチョントゥグには15世紀のポルトガル音楽の影響が見られる。クロンチョンは20世紀前半に流行した。ポップ音楽の影響を受けたクロンチョンはポップ・クロンチョンと呼ばれる。
インドネシアでは様々な珍しい楽器があり、竹で作ったアンクルンはユネスコ世界無形遺産に登録された。ロテ島にはササンドゥという白いロンタール(棕櫚椰子)の葉で作ったハープのような楽器もある。
舞踊
インドネシアの舞踊は、その国家を構成する民族の多様性を反映している。オーストロネシア民族舞踊とメラネシア民族舞踊の様式が見られるがインド、中国、中東などのアジア近隣諸国や植民地時代の西ヨーロッパの影響も見られる。各民族には独特の舞踊があり、合計3,000種類以上を数える。インドネシア舞踊の歴史は先史時代、ヒンドゥ・仏教時代、イスラム時代の三つの時代に区分され、宮廷舞踊と大衆舞踊の二つのジャンルがある。
インドのラーマーヤナとマハーバーラタを題材にした伝統舞踊がタイやバリの舞踊にも取り入れられている。ジャワ舞踊にはスラカルタ王宮を中心に発展したものと一般大衆が独自に創作した舞踊がある。
演劇
ジャワ、スンダ、バリのワヤン人形劇ではインドの神話伝説ラーマーヤナやマハーバーラタを題材して演じられる。ワヤン・オランはワヤン・クリの題材を人間が演じる物。
ジャワの伝統芸能としてルドゥルッやクトプラッという喜劇がある。スンダの喜劇はサンディワラ、ブタウィの喜劇はレノン(Lenong)と呼ばれる。
ミナンカバウのランダイは音楽、舞踊、演劇とプンチャック・シラットの要素を取り入れた総合芸術である。ミナンカバウの神話、歴史と男女の物語を題材にする。